【自然災害】「想定外」はもう終わり!自然に学ぶ真の防災とは
近年、日本列島を襲う自然災害は、
もはや「異常気象」という言葉では片付けられないほど甚大化・頻発化しています。
豪雨、台風、地震、猛暑…そのたびに私たちは「想定外の出来事だった」
という言葉を耳にします。しかし、本当にそうなのでしょうか?
「想定外」は人間の都合?自然界に想定外は存在しない
「想定外」という言葉は、私たちの予測や準備の範囲を超えた出来事に対して使われます。過去のデータや経験に基づき、私たちは未来を予測し、備えを講じます。
しかし、自然の営みにおいて、「想定外」という概念は存在しません。
地球の誕生から現在に至るまで、自然は常にその法則に従って動き、
途方もないスケールの中で様々な現象を繰り返してきました。
私たちが「異常」と感じる現象も、自然の壮大なサイクルの中では、
実は「起こりうる」ことの一つなのかもしれません。
例えば、
記録的な豪雨:
大気中の水蒸気量が増え、特定の地域で集中豪雨が発生することは、
気象のメカニズム上起こり得ます。
その規模が私たちの過去の経験を上回った時、
私たちはそれを「想定外」と呼ぶのです。
巨大地震:
プレートの動きによる地震発生は、地球活動の一部です。
特定の活断層が動く可能性は常にあり、
そのエネルギーの蓄積が臨界点に達した時、
私たちの予測を超える揺れとなることがあります。
猛烈な台風:
海面水温の上昇などにより、より強いエネルギーを持った台風が発生することも、
気象条件が整えば起こり得ます。
これらはすべて、自然の摂理に基づいた現象です。
私たちが過去に経験したことがないからといって、
それが「想定外」であるとは限りません。
それは、単に私たちの「想定」が及ばなかった、
あるいは「想定」が不十分であった、ということを意味しているのではないでしょうか。
自然に学ぶ。真の防災は「想定内」を広げることから
では、私たちはこの「想定外」という言葉とどう向き合えば良いのでしょうか。
大切なのは、「自然界には想定外は存在しない」という事実を受け入れ、
私たちの「想定内」の範囲を広げていくことだと考えます。
具体的には、
ハザードマップの再確認と多角的な情報収集:
自宅や職場の災害リスクを、最新のハザードマップだけでなく、
地域の歴史や地形なども含めて深く理解する。
「最大級の災害」を想定した備え:
過去の経験則にとらわれず、理論上起こりうる最大規模の災害を念頭に、
避難経路、備蓄、家族との連絡方法などを具体的に準備する。
地域の共同体としての防災意識向上:
個人の備えだけでなく、地域全体で助け合える仕組みや、
情報共有のネットワークを構築する。
日頃からの防災訓練と知識のアップデート:
いざという時に冷静に行動できるよう、
定期的な訓練と、最新の防災情報を常に学ぶ姿勢を持つ。
私たちにできること:自然と共に生きる知恵を
自然の力を完全に制御することはできませんが、
その変化を理解し、しなやかに適応していくことは可能です。
もはや「想定外」という言葉で思考停止するのではなく、
「自然界では何が起こりうるのか」という視点から、
より深く、より広範な防災意識を持つことが、これからの時代には不可欠です。
私たちの命と暮らしを守るために、
今一度、自然との向き合い方を見つめ直し、
真の「想定内」を広げる努力を続けていきましょう。