工場の電気代は家庭と大違い!
1年間を左右する「最大デマンド」の恐怖とその対策
工場の経営者や電気主任技術者の方なら、
「デマンド」という言葉を聞くだけでドキッとするかもしれません。
一般家庭の電気料金は、使った分だけ支払うシンプルな仕組みですが、
工場や大型商業施設といった
高圧・特別高圧で受電している大口需要家の電気料金の仕組みは全く異なります。
特に、基本料金を決定するユニークな仕組みは、
知らないと大きな損失につながりかねません。
今回は、工場の電気料金体系の肝となる
**「最大デマンド」の仕組みと、それから設備を守るデマンドコントローラーの役割、
そして「こまめに消す」努力の限界**について解説します。
1. 1年間を決める「たった30分」の電力使用量
家庭では、電気を使おうが使うまいが基本料金はほぼ一定です。
しかし、工場などの大口契約では、基本料金の計算方法が全く違います。
あなたの工場が契約している電力の基本料金は、
過去1年間で**最も電力を多く使用した「30分間の平均使用電力」に基づいて決まります。これが最大デマンド(最大需要電力)**です。
最大デマンドの「恐ろしい」仕組み
通常時の節電:
11ヶ月間、地道に節電に取り組み、デマンドを低く抑えました。
ある瞬間のピーク:
残りの1ヶ月で、たまたま全設備をフル稼働させた結果、過去最高のデマンド値を記録してしまいました。
料金への影響:
このたった一度記録した高いデマンド値が、
その瞬間から今後1年間の基本料金のベースになってしまいます。
11ヶ月間安くても、残りの1ヶ月が高ければ、
その後の12ヶ月間はすべて高くなるという、シビアなルールなのです。
2. 「こまめに消せ」と言われても効果が薄い理由
上司やオーナーから「こまめに電気を消せ」と指導されることは多いでしょう。
もちろん、無駄な電気を消すことは大切です。
しかし、この努力が報われにくい理由があります。

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