【無断駐車の罰金は違法?】
「無断駐車1万円いただきます」の看板に法的な強制力はあるのか徹底解説!
コインパーキングではない場所でよく見かける「無断駐車は〇〇円いただきます」
という看板。もしうっかり停めてしまったら、
本当に看板通りのお金を払わなければならないのでしょうか?
結論から言うと、この「罰金」には、法律的な強制力はありません。
本記事では、この一般的に見られる表示が、
法律的にはなぜ認められないのかを徹底解説します。
私有地の駐車場の管理者側、そしてうっかり停めてしまった側の、
それぞれの権利と義務を理解し、トラブルを未然に防ぎましょう。
## 🚨 「罰金」を私的に徴収することは法律違反
駐車場や空き地の看板に「罰金」という言葉が使われている場合、
法的な意味では大きな間違いがあります。
### 罰金とは「国が科す刑罰」である
日本の法律において「罰金」とは、刑法に基づき国が犯罪者に対して科す刑罰の一つです。
私人が無断駐車をした人に対して勝手に罰金を設定し、
徴収する権限は一切ありません。
看板に「罰金」と記載されていても、それは単なる警告文であり、
法的な支払い義務を負わせるものではないのです。
### 請求できるのはあくまで「実損害」のみ
無断駐車は、民法上の「不法行為」に該当します(民法709条)。
この場合、土地の所有者や管理者は、無断駐車をした人に対して
損害賠償を請求することは可能です。
しかし、請求できるのは、以下の無断駐車によって現実に発生した損害額に限られます。
周辺コインパーキングの時間貸し料金に相当する金額。
無断駐車車両を排除するためにかかったレッカー移動費や保管費用。
## 💰 「1万円」などの高額請求は裁判で認められるか?
看板に「無断駐車は1万円」と書かれていた場合、その金額は法的に有効なのでしょうか。
### 一方的な高額設定は「無効」となるリスク
近隣の駐車料金の相場と比較して、社会通念上、
あまりにも高額すぎる金額を請求した場合、その請求自体が
**「暴利行為」や「公序良俗違反」**(民法90条)とみなされ、
裁判になった際に請求が認められない可能性が高いです。
管理者が独自に設定した高額な違約金には、法的な強制力は一切ありません。
【トラブル回避の知識】
裁判所が損害賠償として認める金額は、一般的に
「近隣駐車場の市場価格」が基準となります。
高額な請求は、あくまで強い抑止力として機能しているのが実情です。
## 🛡️ 管理者側が本当に損害を賠償してもらうには?
私有地の管理者が無断駐車の損害を適正に賠償してもらうためには、以下の対応が必要です。
看板での明確な警告: 「無断駐車は警察に通報し、
レッカー移動費用と実損害を請求します」といった、
法的な対応を明記した看板を設置する。
損害の立証: 実際にレッカー移動を行った際の領収書、
被害を受けた時間分の駐車料金相場など、具体的な損害を証明できる証拠を揃える。
法的手段の利用: 請求に応じない場合は、
**民事訴訟(少額訴訟など)**を通じて損害賠償を求める。
まとめ (結論)
「無断駐車は1万円いただきます」という表示は、違法ではありませんが、
そこに書かれた**「罰金」には法的な強制力はありません。**
しかし、無断駐車が不法行為である事実は変わりません。
管理者側は実損害を請求でき、運転者はその損害を賠償する義務があります。
この看板は、あくまで「無断駐車に対する強い警告」として受け止め、
私有地への駐車は絶対に避けることが賢明です。

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