なぜ飛行機は「左側」から乗るの?船から受け継がれた意外な歴史と3つの理由
飛行機の搭乗口が必ず左側にある理由を知っていますか?
「ポートサイド」の語源となった船の歴史から、
機長の座席位置、空港での作業効率まで、
航空業界の知られざる雑学
飛行機に乗る際、いつも当たり前のように「左側のドア」から搭乗していませんか?
実は、右側のドアから客室に入ることは滅多にありません。
「なぜ右側じゃダメなの?」「世界共通のルールなの?」
と疑問に思う方も多いはず。
実はこのルール、飛行機が誕生するずっと前、
「船の時代」からの伝統が深く関わっているのです。
今回は、航空業界の不思議な慣習である
「左側搭乗」の理由を、歴史と実用性の観点からわかりやすく解説します。
1. 語源はバイキング船?「ポートサイド」の由来
飛行機の左側搭乗のルーツは、大航海時代の船の構造にあります。
右側は「ステアリングボード(Starboard)」
昔の船は、舵(かじ)が右側に付いていました。そのため、
右側を岸壁につけると舵が壊れてしまうリスクがありました。
左側は「ポート(Port)」
舵のない左側を港(ポート)に寄せて停泊させていたことから、
左舷を「ポートサイド」と呼ぶようになりました。
飛行機はこの「船の作法」をそのまま引き継ぎ、
港(ターミナル)に接する側=左側というルールが定着したのです。
2. 機長(キャプテン)の座席が左側にある理由
飛行機を操縦する機長(キャプテン)も、原則として左側の席に座ります。
視認性の確保: 船と同じく左側に接岸するため、
機長が自分の席から窓の外を見て、
ターミナルやボーディングブリッジとの距離を正確に測れるようにしています。
安全なスポットイン: 巨大な翼が建物に接触しないよう、
責任者である機長が直接目視できる側が搭乗口となったのです。
3. 「人の左」と「物の右」で効率化
現代の空港運用では、左右のドアで役割を完全に分けています。
左側(Lドア): 乗客の搭乗・降機専用。
右側(Rドア): 機内食の搬入、機内清掃、貨物の積み込み、燃料補給。
このように左右で「人の流れ」と「作業の流れ」を分離することで、
限られた駐機時間の中で効率よく出発準備ができるよう設計されています。
船舶の灯火ルール
この歴史の名残で、
飛行機の翼の端にある灯火も、船と同じく
**「左が赤、右が緑」**と世界共通で決まっています。
これも海のルールを空が引き継いだ一例です。
まとめ:空のルールは海の歴史から
飛行機の左側搭乗は、単なる偶然ではなく、
数百年続く航海の歴史と、現代の安全・効率化が融合した結果です。
次に飛行機に乗るときは、
ぜひ「今、ポートサイドから乗っているんだな」と思い出してみてください。
空の旅が少しだけロマンチックに感じられるかもしれません。

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